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【Vol.5】人間としての対応が人間を育てる

20250708|LECJapanメルマガ|【Vol.5】人間としての対応が人間を育てる

おはようございます!

NPO法人LECJapanの理事長鈴木です。

今日は第5回目のメルマガ配信日!

今回の話題は「人間としての対応が人間を育てる」。

どういう意味?とハテナマークが浮かんできそうなテーマですが、ここを押さえておくことで、子どもに対してちょっぴり冷静な対応ができるかもしれませんよ。

<メルマガ登場人物>

鈴木:LECJapan理事長・三児の父・育児セラピスト

杉江:LECJapan理事・二児の母・フリーライター

<メルマガ執筆>

NPO法人LECJapan 理事 杉江

〜子どもは人間?動物?〜

杉江

「なんとも誤解を生みそうなテーマやね。笑」

鈴木

「そうだね、この言葉だけを見ると、いろんな方面からクレームがきそう。笑」

杉江

「それで、これはどういう意味なん?」

鈴木

「これは本当に極端な例えなんだけど、子どもは人間と動物ならどっちに近いと思う?」

杉江

「うーん、動物かな?笑」

鈴木

「多分、多くの人がそう思うんじゃないかな。」

杉江

「子どもって言うこと聞かへんし、急に飛び出すし、嫌なことがあったらところかまわず泣き喚くし、本能のままって感じで動物に近いかなあ・・・」

鈴木

「そうだね。子どもはどちらかといえば動物に近いと思う。そうなると、大人は人間ってことになるんだけど、実は子どもの頃に持っていた動物的な部分もまだ残っているんだ。」

杉江

「というと?」

鈴木

「簡単に言うと、人は相手の出方に合わせて自分の出方を変えるんだ。」

杉江

「へー。」

鈴木

「例えば、自分の部下が遅刻したとする。その時部下が『電車が遅れちゃって〜すみませ〜ん』みたいな対応だったらどうする?」

杉江

「言い訳すんな!ってなる。」

鈴木

「そうだよね。じゃあ『電車が遅れてしまって、これが遅延証明書です。申し訳ありません。』と言われたらどうする?」

杉江

「そっか、仕方ないね。ってなる。」

鈴木

「相手が幼稚な言い訳をしてきたら、こちらも言い訳するな!となる。でも、きちんと遅刻の理由を述べて謝罪してきたら、こちらも仕方ないからいいよってなる。」

杉江

「確かに、同じ遅刻なのに、相手の出方によってこちらも出方を変えてるね。」

鈴木

「そう。これが親子の関係でも起こるんだ。さっきから話している人間っていうのは、理性でコントロールできている行動のこと。動物っていうのは、理性でコントロールできていない衝動的な行動のことなんだ。」

〜子どもの行いが親の動物的な部分を引っ張り出す〜

鈴木

「大人は人間だけど、動物的な部分もあるっていうのはなんとなくわかったかな?」

杉江

「うん。大人には子どもの頃に持っていた動物的な部分が残ってるってことやんね。」

鈴木

「そう。子どもから大人になるにつれて、少しずつ理性で衝動性をコントロールできるようになっていく。でも、大人になっても子どもと関わることで、動物的な部分が引き出されてしまうんだよね。」

杉江

「例えばどういうこと?」

鈴木

「例えば、子どもがお味噌汁をこぼしたとしよう。1回目は大丈夫?熱くなかった?と声をかけて、拭いてあげるよね。」

杉江

「そうやね。」

鈴木

「でも、2回も3回も繰り返されると、こっちもイライラしてくる。」

杉江

「そらな。笑」

鈴木

「それで、キーっとなって『やめなさいって言ってるやろ!!!』と雷が落ちる。」

杉江

「うちの晩御飯の風景そのまんまやわ。」

鈴木

「これって、最初は冷静に人間らしく対応ができるてるんだけど、何度も同じことをされるうちに、動物的な部分が出てしまってるんだ。」

杉江

「キーっとなるのが動物的な感じってこと?」

鈴木

「そうだね。動物ってそもそも、恐怖を感じたら同じ状況を避ける習性があって、それを子どもに使ってるわけ。例えば、ハサミを持ち歩いただけでひどく怒られちゃった子は、ハサミを持ち歩く=怒られる、って思って、ハサミを持ち歩かなくなる。ここに、転んだら危ないからっていう本来の理由はまだ理解できないんだよね。」

杉江

「なるほど。」

鈴木

「僕たち大人がイライラして怒鳴ることによって、子どもに恐怖を与えてる。それで、やっていいことと悪いことを教えてる感じかな。」

杉江

「動物的な教え方やね。」

鈴木

「そもそも、大人はわざとお味噌汁をこぼしたりしないよね。でも、子どもは人間社会でやらないようなことを平気でする。だから、大人が思う人間社会のルールでやってはいけないことを、子どもは悪気なくやっているって感じだね。」

杉江

「なるほど。うちらの人間社会ではやらへんことをされるから腹が立つんやね。」

鈴木

「そう。やらへんことっていうよりも、やってはいけないことって感じかな。理性的な行動(人間的)がまだ成長段階で上手くできない子どもに、てっとり早く言うことを聞かせるために大人の動物的な部分が引き出されて、感情のまま怒り狂ってしまうんだ。」

杉江

「あるあるよな。」

鈴木

「でも、動物的な子どもに対して、大人が動物的な対応をし続けるとどうなると思う?」

〜動物に対して動物的な対応をすると動物として育つ〜

杉江

「なんか早口言葉みたいやな。笑」

鈴木

「そうだね。でも、子育てってこの言葉の通りだと思う。子どもって動物的な部分が多いんだけど、大人が人間的な対応をすることで、人間として育っていくんだ。」

杉江

「人間になるよう育てていくって感じ?」

鈴木

「そう。動物的な子どもに対して、大人もつい感情的になって動物っぽい対応をしがちなんだけど、そうすると子どもは人間にならず、動物として育ってしまうんだ。」

杉江

「なんか危なそう・・・」

鈴木

「そうだね。ここでポイントになるのが、自分が『動物的な反応をしている』と気づけるかどうかなんだ。要は理性が働いているか。」

杉江

「頭に血が昇ってると、なかなか難しいよね。」

鈴木

「うん、最初は難しいかもしれない。僕は人間は『身体』で反応するか、『頭』で考えるかのどちらかだと思っていて。例えば、身体は感覚に近くて、ボールが飛んできたらよけちゃうような神経レベルの反応だね。動物か人間で言ったら、動物的な感じかな。」

杉江

「うんうん。」

鈴木

「頭はより論理的で、理性を保ってる。人間的な感じかな。」

杉江

「身体は動物的なイメージ、頭は人間的なイメージってこと?」

鈴木

「そうだね。人間は動物的な『身体』と、人間的な『頭』の両方を兼ね備えていて、どっちも行き来できる感じ。本当は脳の違う部分を使っていて、どちらも頭の中にあるんだけど、ややこしくなっちゃうから、それはまた別の機会に話すね。」

杉江

「なるほどね。」

鈴木

「ここで大切になってくるのが『今、動物の私やな』って気づけることなんだ。」

杉江

「ほう。」

鈴木

「子どもが何度も悪いことをして怒鳴ってしまうのは、動物的な『身体』の働きなんだけど、イライラして怒鳴りつける前に『今の私は動物やな』って気づけることで、少し冷静になることができる。少し冷静になれたら、動物的な対応ではなく、人間的な対応ができるよね。」

杉江

「確かに、怒りに任せて怒鳴ってしまうと、後から自己嫌悪がすごいもん。少し冷静になるだけでイライラもマシになるし、対応も感情任せじゃなくなるよね。」

鈴木

「そうだね。例えば杉江さんの場合、上の子どもが自分の思い通りにいかずにギャーッと大泣きしていたとする。でも、下の子にミルクをあげなきゃいけない。そんなとき、ギャーッと泣いてる上の子に対して『うるさい!静かにして!』なんて怒鳴ったら、余計にギャーってなっちゃうよね。」

杉江

「あるあるやけど、改めて文字に起こしてみると、これって負のループなんやな・・・」

鈴木

「そう。動物的な子どもに対して動物的な対応をしてしまうと、その子の人間的な部分は育ちにくくなってしまう。」

杉江

「こういうとき、どうしたらいいの?」

鈴木

「まず、上の子には『ちょっと待ってね』ということを伝える。もちろん、ギャーっていうのはおさまらない。でも『ミルクが終わったらあなたね』っていうことを伝えて、ミルクが終わったらちゃんと相手をしてあげる。それを繰り返すことで順番がわかって、ギャーっていうのがなくなってくるんだ。」

杉江

「そっか。やっぱり何回も繰り返さなあかんねんな。」

鈴木

「そうだね。正直ギャーって泣き喚かれるとなかなか冷静にはなれないんだけど『今動物の私やな』って気づいたら、一旦深呼吸をする。深呼吸って本当に少し冷静になれるから。その少し緊張の糸が緩んだ関わりが、子どもにも伝わって行くんだ。」

杉江

「そやな。子どもがギャーってなってイライラしてきたら、今の私は動物やって一旦深呼吸して、それから人間らしい対応をしようと思う。」

鈴木

「それを続けていくことで、杉江さんの子どもたちも、理性的なコントロールが上手に使える人間として育っていくと思うよ。」

〜まとめ〜

鈴木

「今回は、人間としての対応が人間を育てるについてお話しました。」

杉江

「なんか、いつもの自分の対応が『動物』の自分やったことに衝撃やったわ。」

鈴木

「本当に極端な言い方だけどね。でも、動物的な一面と、人間的な一面、大人はみんなどっちも持ち合わせていると思ったら、少し気は楽にならない?本当に危険を回避したりする時には、動物的な一面が役に立ったりもするし。」

杉江

「そうやね。怒鳴ってしまうのも、みんなが持ってる動物的な部分が引き出されてるんやと思ったら、自分だけじゃないんやっていう安心感もある。それに、動物的な自分が出てきたときにどうすれば良いのかわかったのもよかった。」

鈴木

「そうだね。『今の自分動物的だな』って気づけるだけで、その後の対応って全然違うものになるから。これはぜひ試してみてほしい。」

杉江

「ありがとう。子どもの動物的な面に引っ張られずに、人間として対応できるよう頑張ってみる!でも、イライラしてる時に深呼吸ってどうやったらできるん?」

鈴木

「じゃあ、次回は深呼吸の大切さについて話していこうかな。」

次回テーマ「深呼吸の大切さ」

※次回テーマは変わることがあります。

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LEC Japanは「み~んなで地域の子どもたちを育てよう!」を合言葉に活動しています。今を生きる子どもたちは、私たちの子ども時代よりも、親以外の大人たちと関わる機会が減っています。また、子どもたちの居場所が家だけになってしまい、子どもの成長が親だけの責任になっているようにも感じます。 子どもの成長や未来を親だけの責任にしない。 一昔前のような、地域の人が子どもと関わる温かい社会。 たくさんの大人たちと関わることで、子どもたちが健やかに育ってくれたら…そんな想いからLECJapanを立ち上げました。